渡辺 利夫 理事長(拓殖大学 学長)特別講義 要旨
「¥100ショップで買った地球儀で学べること」
〜 拓殖大学国際教育会館を修学旅行で訪れた四日市市立港中学校生たちに 〜
渡辺 利夫
拓殖大学 学長
FSUN 理事長
2006年5月30日
「¥100ショップで買った地球儀で学べること」
私は、スモーカーです。家でたばこを吸う時は、奥さんに叱られながら、台所のファンを回しながら吸っています。その時、この¥100ショップで買った地球儀をいろいろな角度から眺めながら、多くのことを学んでいます。
ところで、この地球儀から地図を作ろうとするとどのくらいの種類のものを作れるでしょうか?・・・そうです、無限です。壁に皆さんが見慣れた世界地図が掲げてあります。日本が、真ん中にありアメリカとアフリカが端にあります。アメリカとアフリカは、この地図のように実際に遠く離れていません。もし、私たちの頭の中にこの見慣れた地図しかないとしたら、そのような感覚で世界を見るとしたら、むしろ私たちの頭の方が変、おかしいのだと思います。地図は、無限にあります。そのことを覚えていてください。
さて、この地球儀を上から、つまり北極から見たり、南極から見たりすると新鮮な驚きを得られます。たとえば、北極の上空から眺めると北極の周りで目立つのは、ロシアです。それから、カナダ。中国大陸も目に入ります。意外なのは、アメリカです。北極から見る限り、アメリカ大陸ではなくて、島のように見えるのです。当然、日本は端っこに見える島です。
私の専門は、開発経済です。この地球を眺める事が鳥観図の仕事であるならば、地域研究などは虫観図的な目をもった仕事だといえるかも知れません。拓殖大学の名前にある拓殖とは、開く、拓くと言うことと殖民、殖産、殖やすという意味があります。この地球上には、多くの人々が住んでいて、虐げられている人、弱い立場の人々が多くいます。人間にとって、幸福なことは、自分以外の人のために役立つという事です。「公に生きる」ということです。日本は、バブル経済の最盛期に世界最大のODA(政府開発援助)大国となりましたが、以後、世論の影響もあり、ODA金額を減らし続け、間もなくドイツやフランスやイタリアにも追いつかれそうなところまでやってきました。日本は、平和憲法をいただき、武力を使った国際協調を行う事が出来ません。私は、この状況を、ODAの減少する傾向をなんとか逆転させたいと考えています。
みなさんは、虐げられた人々、弱い立場の人々を援け、自分以外の人のために役立つということ。公に生きるということ。日本人として晴れがましく誇らしい気持ちを是非持ち続けていただきたいと思っています。
以上
(文責 土瀬戸 邦洋)
国連支援交流協会 事務局