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〜 編集/内閣府 発行/国立印刷局 【時・の・動・き】より 〜
渡辺理事長寄稿コラムのご紹介!

時・の・動・き 2003年11月号

編集/内閣府 発行/国立印刷局  【時・の・動・き】2003年 11月号にて、当協会・渡辺利夫理事長の寄稿コラムが掲載されました。

小中高における開発教育の充実を

渡辺 利夫
拓殖大学国際開発学部教授
ODA総合戦略会議議長代理

8月29日に新ODA大綱が閣議決定されました。ODA総合戦略会議で大綱の素案を作成し、タウンミーティングやバブリック・コメントを通じて、できるだけ多くの国民の意見を吸収してとりまとめられたのが、今回の大綱の大きな特徴です。

新ODA大綱のポイントは四つ挙げられます。一つは、そういう言葉こそ直接使っていませんが、ODAがめぐりめぐって日本の「国益」につながることを強調したことです。これが今回の大綱の一番大きなポイントでしょう。ODAは、国民の支持がなければ成立しません。その意味で、国益という観点は非常に重要です。旧ODA大綱がやや理想主義的な色彩が強かったのと、この点が異なります。二つ目が、旧ODA大網と同様、日本のODAの特徴である「自助努力支援」が明記されたことです。やる気のある開発途上国にODAを供与していくことが引き続き表明されました。三つ目が、要請主義、つまり被援助国のリクエストベースに基づく援助ではなく、要請を受ける前から開発途上国の関係者と密度の濃い「政策協議」を実施することを打ち出した点です。そして四つ目が、グローバル化の進展の中で出てきた問題一地域紛争、難民、テロ、感染症、麻薬など、冷戦崩壊後の新しいテーマ(グローバル・イシュー)への対応が明記されたことです。「平和の構築」「人間の安全保障」といった新しい視点が盛り込まれたことは評価できます。

これまでの日本のODAは、東アジアの産業インフラ整備、例えば発電所の建設や港湾の整備などに円借款を供与することが主でした。正直言って、これらはお金はかかりますが、それほど人手・人材を必要としません。しかし、先ほど述べたグローバル・イシューに対する支援では、そうはいきません。相手国についての十分な知識と専門知識を持った人材が必要です。開発の現場で額に汗して、現地の人たちと同じ目線をもって働く人たちが何よりも求められます。

人材の育成は一朝一夕にはできません。小中高の段階で、貧しい人々、虐げられた人々に手を差し伸べることが、日本人としての尊い、誇らしい義務であることを学び、また、それによって自分の心を満たし、自分も幸せを感じる、そういう開発教育が必要です。手前味噌ですが、来年の4月に私どもの拓殖大学では国際開発教育センターを立ち上げ、小中高の先生を週1回招いて、開発ファシリテーター養成コースを開講します。1年間、教育現場で開発教育を実践するために必要なノウハウなどを学びます。我が国の開発教育は欧米に比べて教材そのものも乏しく、一から始めなければならないのが現状です。まだ始まったばかりですが、数年後にはかなりの広がりを見せるようになると確信しています。もうひとがんばりです。

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